中途解約制度とは |
消費者(役務の提供を受ける者)は、その契約期間中であれば、 |
クーリング・オフ期間経過後も、特定継続的役務提供契約を、理由の如何を問わず中途解約することができます。 |
関連商品を購入している場合もあわせて中途解約できます。(法第49条) |
但し、有効期間が過ぎた場合、関連商品のみの中途解約はできません。 |
中途解約の場合には、クーリング・オフの場合と異なり、消費者は事業者に対して、既に提供された役務の対価分+法令で定める一定額以内の損害賠償を支払う必要があります。 |
事業者側が既にこの額を超える金額を受け取っている場合には、超過部分を速やかに返還しなければなりません。 |
中途解約できる契約 |
|
損害賠償額等の上限(一種のキャンセル料のことです) |
サービス名 |
サービスを受ける前に解約した場合のキャンセル料 |
契約の締結及び履行のために通常要する費用 |
エステティックサロン |
2万円 |
語学教室 |
1万5千円 |
家庭教師 |
2万円 |
学習塾 |
1万1千円 |
パソコン教室 |
1万5千円 |
結婚情報提供 |
3万円 |
|
サービス名 |
サービスを受け始めた後に解約した場合 |
通常生ずる損害の額 |
エステティックサロン |
2万円 又は 残額の10% に相当する額
いずれか低い額 |
語学教室 |
5万円 又は 残額の20% に相当する額
いずれか低い額 |
家庭教師 |
5万円 又は 1月分のサービスの対価 に相当する額
いずれか低い額 |
学習塾 |
2万円 又は 1月分のサービスの対価 に相当する額
いずれか低い額 |
パソコン教室 |
5万円 又は 残額の20%
いずれか低い方の金額 |
結婚情報提供 |
2万円 又は 残額の20%
いずれか低い方の金額 |
+ |
既に受けたサービスの対価に相当する額は、
上記の他に支払う必要があります。 |
↓ |
既に受けたサービスの対価に相当する額とは、
(初期費用に相当する部分+(狭義の)役務の対価) |
*初期費用は契約書等に明示のある場合のみです。 |
|
初期費用とは |
交付書面の作成費、印紙税費、会員入力費等
入会諸手続、レベルチェック又はクラス分けテストに要する費用等 |
(コピー費、光熱費、冷暖房費は月々の諸経費となり、初期費用には該当しません。) |
サービス開始後 |
「提供した役務の対価に相当する額」の中に含まれ得る範囲について、契約締結時の交付書面に記載した精算方法に定めるところにより請求することが可能であると考えられますが、実際に請求が可能であるか、また、請求できる額については個別ケースにより異なります。 |
*サービス開始前の違約金の上限が「契約の締結及び履行に要する費用」ですから、役務提供開始後に初期費用を請求する場合にも、これが目安となると考えられます。 |
*入会金・入学金 については、 |
「提供された役務の対価に相当する額」+「通常生ずる損害の額」のいずれにも含まれない「入学金(入会金)は返還しない」等の特約は無効になります。 |
ただし、いわゆる初期費用に相当する部分について既に「提供された役務の対価」として説明できる合理的な費用については請求できると考えられますが、実際に請求が可能であるか、また、請求できる金額については個別ケースにより異なります。 |
*初期費用を精算時に請求するためには、その費用の具体的な内容を事前に明らかにし、中途解約の場合には請求することを明示しておく必要があります。 |
具体的には、契約締結時に交付する書面の「精算に関する事項」に、初期費用の具体的な内容を記載し、かつ、中途解約の場合には請求することができる旨明示することとなります。 |
なお、法第49条第2項第2号の「契約の締結及び履行のために通常要する費用」については上限額が定められており、こうした初期費用の請求に際しても上限としての目安となります。 |
関連商品を中途解約して返還した場合の「通常の使用料に相当する額」 |
レンタル料金等が目安となりますが、当該商品の減価償却費、マージン、金利等を考慮した合理的な額でなければなりません。 |
また、あくまで「通常の」使用料であり、個別事由を反映させることはできません。 |
具体的な使用料については、商品によっては当該商品を販売する業界において、標準的な使用料率が算定されている場合には、それを参考とします。 |
業界において算定されていない場合は、合理的な額を算出する必要があります。 |
なお、「販売価格に相当する額から返還された時における価格を控除した額」、すなわち新品と返還された関連商品の中古品としての価値の差額分が「通常の使用料」を超えている場合には、その額が上限となると規定(法第49条第6項第1号括弧書参照。)されており、 |
化粧品や健康食品を開封・消費した場合、書籍に書き込みをした場合のように、関連商品の返還時の価値が低下している場合には、契約締結時の交付書面に記載した精算方法に拠って、その差額分を上限として請求することができます |
役務の提供を受けるにあたって必ずしも購入する必要がないものであって、契約締結時の交付書面に記載していないものについては、いわゆる「推奨品」であり、クーリング・オフや中途解約の対象外となります。 |